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フランス・シャブリから近況レポート★オリヴィエ・トリコンさんインタビュー

2021.05.06

フランス・シャブリを代表する醸造家、オリヴィエ・トリコンさんとZOOMによるインタビューを行いました。4月の霜害対策のリアルな状況、とっておきのブルゴーニュレシピ等、様々なことを教えていただきました。
シャブリの魅力が詰まった対談レポートをぜひお楽しみください♫



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1. シャブリでの霜害対策



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霜害とは


春になりブドウの芽が伸びた後に最低気温(日の出直前)がマイナスになってしまい、若芽が凍って壊死してしまうことです。春の霜なので「遅霜」とも言われます。


シャブリでも1㎜~2㎜程度の積雪



今年4月6日〜8日、フランスでは過去30年で最も厳しい寒波が到来し、フランスのほぼすべてのワイン産地で、霜害の被害が発生しました。シャブリ地方でも同様、1㎜~2㎜程度の積雪があり、霜害対策をスタッフ一丸となって行いました。


オリヴィエ・トリコンの霜害対策


オリヴィエ・トリコンでは、霜害対策として「焚き火」と「スプリンクラー」を行いました。オリヴィエ・トリコン社から実際の焚き火とスプリンクラーの貴重な動画をいただきましたので、ぜひご覧ください!


動画①:スプリンクラー


スプリンクラーとは、ぶどうの樹に散水する方法です。水が氷に変わることで熱が生まれます、これにより芽と新梢が守られます。シャブリではスプリンクラーによる散水が行われました。また、常に水を供給して、凍結の現象が続くようにしなければならないので、大量の水を必要とします。



動画②:焚き火


4月6日~7日の二日間にかけて、焚き火も行いました。夜11時から作業をスタートさせ、真夜中から早朝にかけて徹夜で対策を実施。ほぼ二日間不眠不休だったそうです。



写真


被害状況

徹底的に対策を講じたものの、霜の影響で一部の芽に影響が出てしまったことも事実です。左の写真は霜の被害に遭ってしまったブドウの芽です。ごく一部の芽だけの被害で済んだのも、幸運なことです。




霜害のまとめ

オリヴィエ・トリコン社では、霜害対策をスタッフ一丸となって行い、そのお蔭で最小限の被害に留めることができました。





2. 霜害対策の歴史


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時代を遡ると、フランスでも様々な天災に見舞われてきました。霜害に関しては、1991年、1997年、2003年という年の被害が最も多く、オリヴィエ・トリコン社もそんな天災と常に向き合ってきました。様々な対策を講じても、被害を受けることが多く、その経験から1年以上の備蓄を常に蓄えるようにしています。備蓄のお蔭で、天災に見舞われても落ち着いて対処できるようになったそうです。





3. コロナ下での環境


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4. 堆肥造りへのこだわり


オリヴィエ・トリコンさんは自身で堆肥を造っており、ブドウに対するこだわりがとても強い方で有名です。そんなトリコンさんの堆肥造りに対する思いを聞いてみました。
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激レアな堆肥造り


トリコンさんが堆肥を造り始めた時、周囲のワイナリーでその様なことは行われていませんでした。その為、当初は鼻で笑われていたようです。しかし、堆肥造りによってブドウが健康に育ち、良い影響が出始めました。その頃から鼻で笑っていた人もトリコンさんの堆肥造りに賛同し、真似するようになりました。


良い土は良いブドウを生み出す


堆肥造りは大変な労力と時間を有します。肉体的にも精神的にもきつい作業ではありますが、トリコンさんは不思議と苦にならないそうです。「ブドウの為にできることをする」これが、トリコンさんの信念であり、ブドウの木はトリコンさんの大切な子供のようだとお話してくださいました。


酸化防止剤について伝えたいこと


昨今、頭痛やアレルギーの観点から酸化防止剤(亜硫酸塩)に対する考え方がより厳しくなったように感じます。確かに、酸化防止剤を大量に摂取すると頭痛やアレルギーを引き起こす可能性も否定できません。その証拠に、トリコンさんも酸化防止剤のアレルギーをお持ちで、酸化防止剤が多く入ったワインを飲むと、すぐに体調不良になるそうです。


自信がアレルギー体質でもあることから、オリヴィエ・トリコンのワインには、人々が酸化防止剤に対する意識が高まるよりもずっと前から、最小限の酸化防止剤しか含まれておりません。毎日自社ワインを飲んでも体調を崩さず元気なのが、何よりの証明です(笑)


しかし、トリコンさんは自信が酸化防止剤のアレルギーに悩まされていても、ごく少量の酸化防止剤は必要だと主張しています。


理由としては、亜硫酸塩はワインを作る過程で自然発生しているということ。そして、酸化を防いで味わいを良くしてくれるという点で、必要不可欠な存在であるということです。生産者が工夫を凝らして作ったワインをあまり過敏にはならず、おいしくいただいて欲しい。それがトリコンさんの思いでもあります。





5. オススメの料理&レシピ


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レシピ①
スモークサーモンとクリームチーズの大根ロール


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★数分で出来る簡単メニュー★
スライスした大根の食感、クリーミーなクリームチーズとスモークサーモンの塩味が
不思議と、シャブリの豊かな香りが引き立つ華やかな一品。

【材料】4人前

スモークサーモン: 8枚
大根薄切り:8枚
キリクリームチーズ:キューブ3つ
塩:つまみ
柚子胡椒:少々
オリーブオイル:好みで適量


【作り方】
1)大根は3.4mmの輪切りで薄切りにして塩を振っておく
2)クリームチーズは3つとも3等分して切っておく
3)水が出てしんなりした大根の水気を軽くとり、大根の上にサーモン、クリームチーズを乗せてくるくる巻く
4)巻いたら器に盛りつけ、上に柚子胡椒を乗せて完成!
お好みで仕上げにオリーブオイルをたらすのも美味しいです。



レシピ②
グジェール


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★ブルゴーニュ地方の郷土料理★
トリコンさんをはじめ、スタッフの方々はシャブリを試飲する際、必ず一緒に食べるそうです。


【材料】(直径3cm 40個分)
バター(無塩)80g
小麦粉160g
卵3~4個(200gくらい)
チーズ(すりおろす)110g
塩小さじ1/2
ナツメグパウダー適宜
こしょう適宜
飾り用のチーズ適宜


【作り方】
1) 鍋に水250mlとバターを入れ、沸騰させる。
2)火を止めて小麦粉を一度に加えて、木べらでまぜる。
  再び火にかけ、弱火で、ひとつにまとまるまで練る。
3) 火を止めて卵をひとつずつほぐし、木べらでまぜながら少しずつとかす。
4) 同様にして卵3~4個分まぜる。硬さの目安は木べらでボウルの生地を底から切ると、ゆっくり生地が合わさるのが目安。
5)すりおろしたチーズをまぜてさらによくまぜる。
6)絞り袋に生地を入れて(口金はいりません) 直径2cmくらいの大きさにしぼりだす。
7)180度のオーブンで18~20分。こんがりと狐色になるまで焼く。



『グジェール』を実際に作ってみました★記事はこちら



6. 成長できたエピソード


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2016年5月、シャブリでは雹(ヒョウ)の被害があり、その年は半分以上の畑がダメージを受けました。大変な影響を受けたにも関わらず、トリコンさんは前向きに捉え、翌年にはダメージを受けた畑も元通りになったそうです!





7. 若い世代への思い


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若い世代に対する期待と熱い思いを沢山お話してくださったトリコンさん。今自身がもつノウハウを次の世代へと継承していくことが、自分の役目だとおっしゃっていました。トリコンさんの熱意が感じられる会社紹介動画はこちら↓


8. 今後の抱負


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自社畑でヘーゼルナッツの栽培も開始した、オリヴィエ・トリコン社。今後は、オイル系の製造やシャブリとヘーゼルナッツのセット販売を行ってみたいと、色々な夢を語ってくださいました。トリコンさんの情熱は尽きることがありません。





オリヴィエ・トリコンについてもっと詳しく知りたい方はこちら!

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