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東亜商事|Passion Cellar : 葡萄の大地から
オーストラリア研修視察旅行レポート
2019.05.14
弊社社員1名がオーストラリア研修に行ってきました。
生産者がブドウ畑やワイン造りに込めている情熱を体感して参りましたのでご報告致します。
研修視察期間:2019年3月3日~3月10日
研修訪問先:南オーストラリア州マクラレンベール:Angove社
南オーストラリア州バロッサバレー:Turkey Frat社
タスマニア州Hellyers Road 社
シドニー有力ワイン&リカーショップ数社
①取引関係開始後12年目となるAngove社(創業133年の歴史ある名門家族経営ワインメーカー)との更なる関係強化及び退任挨拶&本年度の収穫状況の確認
②4世代⇒5世代への経営委譲時期にあたり、4代目社長John Angoveへの挨拶
③5世代社長となるRichard Angoveとの面談&新たな営業戦略の確認
④新たに購入したAngel GullyVineyard優良ワイン畑へ訪問
最新鋭の葡萄収穫用トラクター前で
⑤将来優良ピノノワールの産地として世界中から注目されているタスマニア州のワイン畑(2優良生産者と契約)の葡萄をしたワインが数年後にリリースされるとの情報入手していたので、概要確認とわが社に対する将来の出荷可能数量等確保の依頼。
⑤McLaren Vale Vineyards & Cellar Doorを空から確認
⇒Gulf St.Vincent海に隣接している為、地中海気候の好立地の優位性、古い樹齢の古木から繊細で優良なワインが産出されます。
⑥Warboys Vineyard にあるCellar Doorで10種類の主力商品+売れ筋商品の試飲及びMcLaren Vale 地区の優れた土壌について説明を受ける。
WarboysのCellar Doorで真剣に試飲
試飲アイテム
① Family Crest Chardonnay 2016
② Family Crest Grenache Shiraz Mourvedre 2016
③ Warboys Vineyard Grenache 2016
④ Family Crest Shiraz 2016
⑤ Family Crest Cabernet Sauvignon 2016
⑥ Warboys Vineyard Shiraz 2016
⑦ Sellicks Foothills Shiraz 2016
⑧ Blewitt Springs Shiraz 2016
⑨ Willunga Shiraz 2016
⑩ The Medhyk Shiraz 2016
Organic Series
① Sauvignon Blanc 2018
② Pinot grigio 2018
③ Rose 2018
④ Merlot 2017
⑤ Shiraz 2017
Wild olive Series
① Shiraz 2017
② Chardonnay
⇒70年の樹齢のSirazがちょうどピッカーにより手摘みされている時に訪問したので
収穫直後の葡萄の房から直接試食することが出来た。
Angove社の基本戦略は、価格優先のワイン造りはせず、品質重視のポートフォリオ
を整えていくとのことです。またオーガニックワイン造りの先駆者として、既に豪州No.1の評価を受けて来ており、その生産拡大に傾注していくとのことです。
2019年度の収穫状況
毎年降雨量が少なく、本来小麦農家に割り当てられる水量を購入して葡萄栽培をしなくてはならず、非常にワイン造りが難しくなって来ている様子です。また非常に乾燥しているので自然発火による山火事が多発しています。従って上記コストアップ要因に加えて、世界で起きている異常気象による農産物への悪影響が豪州でも起きているのだと確認出来ました。
⇒収量減少が予想されるが、Angove社は他社より水の確保が出来た為、大幅減産は回避
~当社取扱いワイン~
・アンゴーヴ メディエックオールドヴァイン シラーズ 2014
・ウォーボーイズ シラーズ2015
・マクラーレン・ヴェイル ファミリー・クレスト シャルドネ 2014
・マクラーレン・ヴェイル ファミリー・クレスト カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
・マクラーレン・ヴェイル ファミリー・クレスト シラーズ 2011
・マクラーレン・ヴェイル ファミリー・クレスト シラーズ 2014
・オーガニック シャルドネ2018
・オーガニック シラーズ・カベルネ 2017
・ロング ロウ リースリング 2018
・ロング ロウ シャルドネ 2017
・ロング ロウ シャルドネ 2018
・ロング ロウ カベルネ ソーヴィニヨン 2016
・ロング ロウ シラーズ 2017
・ロング ロウ モスカート 2018
・チョーク ヒル ブルー スパークリング (コルク)
・チョーク ヒル ブルー スパークリング (スクリュー)
・チョーク ヒル ブルー シラーズカベルネ 2017
・チョーク ヒル ブルー セミヨンソーヴィニヨン・ブラン 2018
・バタフライ リッジ コロンバール/シャルドネ 2017
・バタフライ リッジ シラーズ/カベルネ 2016
・バタフライ リッジ リースリング/ゲヴェルツ 2017
・バタフライ リッジ メルロー/カベルネ 2017
・アンゴーヴ ダックショット ヤラ・ヴァレー ピノノワール 2017
・アンゴーヴ ダックショット ヤラ・ヴァレー ピノノワール 2018
アンゴーヴHP(英語版)
①豪州ワイン生産地として最大で、かつ著名なワイン生産者(50社以上)が数多く立地するBarrosa Valley(バロッサバレー)で最も古い家族経営ワイナリーの一つで、3年程前より取引開始しているワイナリー。生産施設確認&主力商品のテイスティングを実施する。
②現存する最古の古木は130年の樹齢とのことです。シラーズとグレナッシュを主体にワインを生産しています。
③やはり世代交代が進んでおり、現在の生産・経営の主体はChristie Schulz から息子のAlex Schulzへ徐々に移行されているとのことでした。
④2016年にオーストラリアで生産されるワインの中で最も名誉な賞と言われ、53年間の歴史ある「Jimmy Watson Memorial Trophy」をGrenache2016が受賞したとの情報入手。
⑤Turkey Frat Grenache2016年は豪州国内に於いて、人気沸騰し在庫は即完売したとのことです。我が社は2013年の在庫が12本のみ在庫しています。
Angove社もTurkey Flat社も品質向上に精力的に努力していることが確認出来ましたので、我が社も販促強化してブランド構築をすると共に、継続的に輸入をしていく必要を感じました。
息子のAlex SchulzにCellar Doorの前に広がるBarrosa Valleyで最も古い樹齢(100年以上)と言われるGrenacheの畑及び現在植え替えているShirazの畑などを案内してもらう。
その後醸造設備&熟成樽の置いてあるスペースへ移動して、質疑応答を実施。
醸造責任者&Alex Schulzに収穫したブドウの圧搾工程、発酵工程、熟成工程などについて説明を受ける。前回訪れた際には無かった最新の醸造設備やフランス産新樽など全てに渡って大きな投資をしているように感じました。
⑥従って近年の品質向上によるワインの評価が著しく高まり、2016年にオーストラリアで生産されるワインの中で最も名誉な賞と言われ、53年間の歴史を誇る「Jimmy Watson Memorial Trophy」をGrenache2016で受賞。
Christie & Alex Schulz オーナー親子 | 醸造責任者Mark Bulman | Jimmy Watson Memorial Trophy |
試飲アイテム
Turkey Fat Grenache 2018
Turkey Flat Butchers Block red 2018
Turkey Flat Shiraz 2018
Turkey Flat Rose 2018
Turkey Flat Single Vineyard *The Conqueror *The Great *The TWIST
~当社取扱いワイン~
・ターキー・フラット シラーズ 2014
・ターキー・フラット グルナッシュ 2013
・ターキー・フラット ブッチャーズブロック Red 2013
・ターキー・フラット ブッチャーズブロック White 2014
・ターキー・フラット ロゼ 2015
ターキーフラットHP(英語版)
AdelaideからMelbourne空港経由でタスマニア島(タスマニア州)のDevonport空港へ移動。今回の訪問先で今や豪州No.1のシングルモルトウイスキーメーカーとして急成長しているHellyers Road 社のMark Littler(マーク・リタラー)社長・海外市場担当のDon Jennings(ドン・ジェニイングス)取締役の出迎えを受ける。
シドニー・、メルボルン、アデレードは初秋とはいえ、我々が訪問した日の気温は、連日30度に近い気温でしたが、南極に近く一年中冷涼で、朝晩の寒暖の差が激しいタスマニアでは20度を切る気温で涼しい、朝晩は寒いと感じる気温でした。蒸留所から15分の位置にあるPenguinのHotel Madsen Boutique Hotelにチェックイン後、Visitor Centerを訪問し、Hellyers Road 社の親会社のBetta Milk社の会長Nevilleご夫妻Visitor Center統括責任者のRachell女史、次期Betta Milk社会長へ就任が決まっているLesleyご夫妻の歓迎を受ける。
日本の国旗を飾り、日本から初の訪問を社員一同で大歓迎してくれました。此の後、蒸留工程やこだわりの現地産大麦や世界一綺麗で純粋と言われている水について説明を受ける。また、今年オーストラリア政府からオーストラリアNO.1のウイスキーメーカーとして表彰されたこと、世界的にも高品質ウイスキーとして年々評価を上げていることから、将来の需要拡大に対応する為、新たなボトリングライン及び樽貯蔵が出来る様に、隣接する土地の購入を実施して、既に増産体制を可能にするボトリングライン工場は完成していました。
熟成樽については、米国産のバーボン樽を使用していること、熟成年数を確認し易くする為に色分けをしていました。歓迎の意を表わすサプライズ企画として、現存する古い樽(17年前の2002年蒸留・熟成スタート)から直接原酒をテイスティングさせてもらいました。高アルコール度数にも拘わらず、ソフトな口当たりと余韻が非常に長く続く素晴らしい原酒でした。今後ウイスキーの本場英国のコンピティションに積極的にエントリーして行くとのことでした。
⇒既にベストニューワールドウイスキーの栄誉ある評価は2016年に獲得している。
品質面での向上&評価に伴い、販売面でも大きな変化が有りました。前回訪問時には豪州国内の空港売店には殆どヘリアーズロード社製品は採用されていませんでしたが、今回訪問時には、シドニー&メルボルン空港は勿論ですが、アデレード空港にもヘリアーズロード製品が置いてありました。
また豪州最大の酒類販売専門店チエーン「Dan Murphy's」は高品質ウイスキーであると認め、積極的に販売を推進してくれており、現在最大のお客様となっているとのことでした。業務用市場においても、ヒルトンホテルアデレードのメインのバーや、アデレード市内の人気があるレストランバー、シドニーの5☆ホテルのバーでもヘリアーズロード製品が置いてあるのを見て感激しました。
⇒世界的なウイスキーブームの再来と、ビンテージウイスキー原酒不足の背景が有るので、我が社も地道な販促活動により販路を広げてブランド構築に成功すれば、酒類事業部の将来の主力商品に育っていくと確信しました。
~当社取扱いウィスキー~
・ヘリヤーズロード オリジナル シングルモルト
・ヘリヤーズロード オリジナルシングルモルト 10年
・ヘリヤーズロード ピノ ノワール フィニッシュ
・ヘリヤーズロード マスターシリーズ オリジナル シングルモルト 15年
・ヘリヤーズロード マスターシリーズ ピーテッド シングルモルト 13年
・ヘリヤーズロード オリジナル ロアリング
ヘリヤーズ・ロード商品説明はこちら(日本語版)
ダベンポート空港~メルボルン空港~シドニー空港へ移動
シドニー市内の5☆ホテル「ダーリングハーバーソフィテル」にチェックイン。その後、Bladnoch(ブラドノック)製品を採用しているオペラハウス内にある人気レストラン&バーにおいて、英国Bladnoch社を所有するBladnoch Distillery Ltd.(メルボルン本社)から輸出担当重役Will Pitchforth氏と面談する。
訪問前に第一回目に入荷した商品が、百貨店・専門リカーショップ、複合販売チャンネル、インターネット業者などに採用が決定した為、追加注文を出していたので日本市場に徐々に流通し始めたことを喜んでもらえました。
Will氏にシドニー市内の有力&人気の専門店、バーを紹介してもらいました。
その店舗リストの中で最も専門性が高く、ハードリカーの品揃えが優れている「The Oak Barrel」を流通視察しました。世界中のレアなウイスキー類、バーボン類、スピリッツ類が揃っていました。勿論Bladnoch商品やHellyers Road 商品も取扱いがあり、特に本場英国のシングルモルトウイスキー品評会で世界No.1の栄誉を獲得したLark社の商品も在庫していました。
<The Oak Barrel Mr. Scott Fitzsimons氏情報>
Lark社は最近投資ファンドのグループ会社入りし、オーナーで醸造責任者であったBill LarkはAdvisorとして後進の指導に当たっているとのことです。国内需要に対応するのが精一杯で輸出するまでの生産能力が無い為に、投資ファンドの力を借りて設備増強&貯蔵施設の増設等に注力している模様です。
~当社取扱いウィスキー~
・ブラドノック サムサラ
・ブラドノック アデラ
・ブラドノック タリア
・ブラドノック 10Y
ブラドノック商品説明はこちら(日本語版)
今回の研修視察旅行は自分の現役引退に伴う挨拶も兼ねていましたが、改めて世界の酒類業界の動向やトレンド等を確認する良い機会となりました。オーストラリアでも日本同様にクラフトウイスキー、クラフトジン、クラフトビール造りがブームで、若い世代の人々が参入しており、タスマニア島でも33のクラフトシングルモルトウイスキーメーカーが出来て来ていること、また独自の技術製造方法を創意工夫して、特徴ある製品作りに挑戦していることを知り、酒類事業部もこの世界的な潮流を意識した営業戦略を立てて行く必要もあるのではないかと思いました。