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東亜商事|Passion Cellar : 葡萄の大地から
スペイン研修旅行レポート
2017.07.28
弊社社員2名がスペイン研修に行ってきました。
生産者がブドウ畑やワイン造りに込めている情熱を体感して参りましたのでご報告致します。
*6月10日~6月11日*
◆10日
特に大きな問題もなく、夕方6時頃スペイン・マドリッド空港に到着。この日はそのままホテルにて休息をとりました。
◆11日
マドリッド南部にあるDOメントリダの生産者ヒメネス・ランディを訪問しました。
・ランディ氏の写真
ヒメネス・ランディは400年以上も続くマドリッド地方では最も歴史の古いワイナリーです。
30ヘクタールの自社畑から4つのワインを生産し、世界29ヶ国に出荷しています。
・生産している4商品の試飲
また、認証は取得していないながらもオーガニック農法を実践しており、環境に配慮した土壌造り・ワイン造りを心掛けています。
ワイン造りに対するこだわりはもちろん強く、ランディ氏曰く「ただただ力強いワインではなく、エレガントなスタイルのワインを目指している」とのことで、収穫の段階から酸味を残すために早い時期での収穫をしたり、通常25度から30度で20日間発酵する所を15度から20度の低温で40日間発酵させたりと、並々ならぬ努力をしていることが伺えました。
・樽発酵中のワインをテイスティングさせていただきました
*6月12日~6月13日*
◆12日
この日はラ・マンチャにワイナリーを構えるフェルナンド・カストロを訪問しました。
~当社取り扱いワイン~
・デチュンダ ティント BIB
・デチュンダ ブランコ BIB
・フアン・ラモン ティント セッコ
・フアン・ラモン ブランコ セッコ
・ヴィニャ・マイテ ピノ・ノワール レッドラベル
・ヴィニャ・マイテ ピノ・ノワール ハートラベル
・オーナー夫人と醸造責任者の写真
フェルナンド・カストロは当社ではBIB(バッグ・イン・ボックス)型ワインの「デチュンダ」やボトルワインで「フアン・ラモン」と「ヴィニャ・マイテ」シリーズでお馴染みのワイナリーです。
今回の訪問では、お客様により一層安心してワインをお楽しみいただけるよう数々の依頼をして参りました。
・BIBの充填機。手前に見える銀色の物がBIBの容器
また、フェルナンド・カストロはスペインでは珍しいピノ・ノワールの栽培を行っているワイナリーであり、今回訪問した際にオーガニックのピノ・ノワールを新規商品としてテイスティングさせていただきました。
味わいはピノ・ノワールにしてはこれまた珍しいパワフルな味わいとなっており、ピノ・ノワールの新たな可能性が垣間見えました。また、それと同時にパワフルさを抑えたエレガントなスタイルのワインも造れないかも提案させていただきました。
・ピノ・ノワールの畑。訪れた時の気温はおよそ35度だった
◆13日
この日の気温は前日と同じく35度前後。例年と比べても異常なほど暑く、体力がじりじりと削られていくような感触がありました。
そんな暑い日差しが照り付けるなか、フェルナンド・カストロと同じくラ・マンチャ地方にあるワイナリー、ボデガス・ムレダを訪問しました。
~当社取り扱いワイン~
・ムレダ バラエタル カベルネ
・ムレダ バラエタル シャルドネ
・ムレダ オーガニック ティント
・ムレダ オーガニック ブランコ
・ムレダの共同オーナー(右から1番目と3番目)
ムレダは1200ヘクタールという広大な畑を所有しています。また、この1200ヘクタールという広大な畑全てがオーガニック畑となっているという、オーガニックに特化した生産者です。この広大な畑でスペインの固有品種から国際品種まで数多くの品種を栽培しています。
また、最近ではコルニカブラという品種を使ったオリーブオイル生産も始めており、現在は年間で約1万本を生産しています。
当社では既に4アイテム取り扱っていますが、今回新たにテンプラニーリョなどの試飲もさせていただき、近年のオーガニックワインの質の高さを実感しました。
・オーガニック畑 | ・生産を開始したオリーブオイル |
今回の訪問では、ムレダ社の輸出を担当されているチームに加えて、共同オーナー2名もアテンドしてくださり、ブドウ畑や醸造設備の説明・考え方を丁寧に説明いただき、ムレダ社の当社に対する期待感を肌で感じました。
今後さらに需要が増すと見られるオーガニックワイン市場において欠かせない1社だと改めて認識しました。
◆14日
14日はスペイン東部バレンシアにある、その地方では最大の生産者ビセンテ・ガンディアを訪問しました。
~当社取り扱いワイン~
・エレンシア・アンティカ ティント
・エレンシア・アンティカ ブランコ
・ビセンテ・ガンディア社外観
この生産者は低価格帯のワインに強みを持っており、当社で現在取り扱っているエレンシア・アンティカはその最たる例です。
ワイン生産にあたっては、熟成用の木樽を15,000樽所有しているため、一度で大量に醸造できる仕組みとなっています。また、大量に造られたワインをボトリングするために、1時間で16,000本ボトリングが可能な高速ラインを2本所有し、1時間で32,000本のボトリングを可能としています。
現在の年間生産量は6,500万本にのぼり、日本も含め85ヶ国に輸出している老舗生産者です。
・ビセンテ・ガンディア社の倉庫 | ・テイスティングルームにて |
テイスティングでは既存の2アイテムを含む18アイテムをテイスティングさせていただきました。その中には興味深いアイテムもあり、価格が安いだけではなく、しっかりとした味わいのワインを造る生産者だということを改めて感じました。
◆15日
この日は前日と同じくバレンシアにある生産者トレ・オリアとナバラ地方にあるチビテを訪問しました。
●トレ・オリア
~当社取り扱いワイン~
・テンプス・トレス ブリュット レゼルヴァ
・トレ・オリア社外観
トレ・オリア社は生産量の30%がスパークリングワイン、70%がスティルワインであり、様々な価格帯のワインを生産しています。また、低価格のワインもコストパフォーマンスが非常に高く、今後新規で検討していきたいワインが目白押しでした。
・カバの貯蔵庫。静かに横積みされていた
●チビテ
チビテ社は1647年に創業されたスペインでは2番目に歴史の長い名門ワイナリーです。
今回は当社での新規導入等テイスティングをしながらお話しさせていただきました。
・テイスティング風景
名門ワイナリーですが、決してそれを鼻にかけることはなく、現在においても品質向上のため日々ワイン造りに真摯に取り組んでいる様子が窺えました。
・テイスティングしたワイン | ・様々な種類の花が描かれたラベルが印象的 |
◆16日~17日
16日の午後1時頃、スペインのマドリッド空港から日本に帰りました。翌17日の午前9時頃成田空港に到着し、帰路に着きました。
今回、各生産者を訪問しブドウ畑・生産ラインを視察することで各々の強みや特徴を認識すると共に、当社に対してどのくらい期待を寄せているかを改めて感じました。