東亜商事|Passion Cellar : 葡萄の大地から
フランスボルドー シャトーメール研修
2009年10月10日~10月17日 フランスボルドー シャトーメール研修 報告書
同行者
シャトーマネージメントグループ 作氏
焼酎オーソリティー 樋口氏 川杉氏
東亜商事 松丸
10月10日(土)
AM10:30 フランスへ向かい成田空港を出発
現地時間 PM4:30 フランス・パリ「シャルルドゴール」空港に到着
PM6:30 ボルドーへ向かい飛行機を乗り継ぎボルドー空港へ
PM9:30 シャトー・メールに到着
簡単な夕食を終え就寝
10月11日(日)
AM9:00 サンテミリオン地区へ向かい出発
本日はワインの産地だけでなく、世界遺産としても有名なサンテミリオンを訪問しました。
14世紀に起こった100年戦争時代にイギリス領となっていたこの場所は、フランスでも特異な土地で、今でも当時の造りのままである。石造りの建造物が多く軒をつなれ、過去の歴史をそのまま触れることの出来る、貴重な街でした。
PM3:00サンテミリオン地区のシャトー・プレサックに訪問
オーナーは「カード」氏。畑面積は46ha、サンテミリオンでも10番目という広大な畑を所有しています。
メルロー、カベルネソーヴィニオン、マルベック、カルメネールを栽培しています。
このシャトーは自動果実選別機を所有しており、収穫したブドウを機械に入れ、自動的に小枝や葉などを除去するだけでなく、2cm以下のブドウも分別し、果実の大きなブドウのみを自動選別することも出来ます。
この機械は世界でも15台のみで、日本円にして約1億5,000万円するそうです。
1.Ch de Pressac 2002(シャトー・ドゥ・プレサック)
2.Ch Tour de Pressac 2006(シャトー・トゥール・ドゥ・プレサック)
3.Ch Tour de Pressac 2007(シャトー・トゥール・ドゥ・プレサック)
1.深みのあるガーネット色に、コショウの香り、タンニンもまろやかで、飲み頃を向かえつつある。
2.複雑味があり、全体のバランスが良い。
3.複雑味があり、まだタンニンが強く、ワインが暴れている印象。
その後、シャトー・メールへ戻り、PM8:00より夕食
「ビスゲスション」社代表の「クロード」氏と夕食
同社はワイナリーの運営コンサルタントを行っている会社であり、約40社のワイナリーをコンサルタントしている。シャトー・メールもその内の1つです。
「エリック・ボワセノ」氏が醸造に携わり、日本でまだ未輸入のワインを彼が持参して来たので試飲。
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~試飲ワイン~
1.Ch Tour de Gilet 2007(シャトー・トゥール・ドゥ・ギレット)
(ボルドー シューペリュール)
2.Ch Barreyre 2003(シャトー・バレル)
(ボルドー シューペリュール)
3.Ch Maurac 2000(シャトー・モラック)
(オー・メドック)
1.はプティヴェルド種60%の珍しいワイン。やわらかいアタックで香りも良い。
川杉氏にも高評価でした。
2はタンニンとのバランスが良く、メルロー種が主体。樋口氏にも高評価でした。
3はアタックは強めで、タンニンはまろやか。飲み頃を向かえている。
PM2:00 ブドウの選果を体験
ブドウの選果作業は除便機から選果台にブドウを流し込み、人の手作業で小さなゴミ(小枝・葉・虫など)を除去します。単純な作業ですが、次々と流れてくるブドウの選果は意外と重労働でした。
~試飲ワイン~
CHメール2002年~2007年ヴィンテージ
2007年~2005年ヴィンテージは、力強い味わいを感じました。しかしながら、タンニンもまだ強く、ワイン自体が暴れている印象を受けました。
2004年~2002年ヴィンテージはタンニンも落ち着いており、香りも豊かで、味わいのバランスが良く飲み頃を迎えている様子。とりわけ4人全員2004年ヴィンテージの評価が一番でした。
こうした垂直の試飲をすると同じワインとは思えない程、若いヴィンテージと古いヴィンテージでは味わいの印象が異なり、改めてワインの奥深さを実感しました。
PM8:00 夕食
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10月13日(火)
本日は日本でまだ未輸入のプチシャトー4件を視察する。
・ブライ村 シャトー・ビロウに訪問
このシャトーは75haの畑を所有し、メルロー種を中心に栽培をしている。
畑は粘土質と石灰質の土壌、醗酵はセメントタンクで行い、熟成はアメリカンオークとフレンチオークを使用(熟成期間は12ヶ月間)
・サンテミリオン村 シャトー・ラ・ヴィジナリに訪問
このシャトーは12haの畑を所有し、メルロー種を中心に栽培をしている。
畑は粘土質と石灰質の土壌、醗酵はセメントタンクで行い、熟成はアメリカンオークとフレンチオークを使用(熟成期間は14ヶ月間、新樽比率は70%)
・ポムロール村 シャトー・ラフラール・ヴォーゼルに訪問
このシャトーは35haの畑を所有し、メルロー種、カベルネソーヴィニオン種、カベルネフラン種を栽培している。
畑は粘土質と石灰質の土壌、醗酵はセメントタンクで行い、熟成はアメリカンオークのみを使用。(熟成期間は12ヶ月間、新樽比率は33%)
年間3万ケース生産をしており、主にアメリカやヨーロッパ圏に輸出をしています。
・ボルドーシュペリュール シャトー・フラシェットに訪問
このシャトーは12haの畑を所有し、主にメルロー種、カベルネフラン種を栽培している。
畑は粘土質と石灰質の土壌、醗酵はステンレスタンクで行い、熟成はフレンチオークとアメリカンオークを使用。(熟成期間は14ヶ月間、新樽比率は60%)
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シャトーエンボルドーは、ボルドーのシャトー400件以上と契約をしている最大手の販売会社。ここで、本日訪問をしたシャトーのワインを含め、日本で未輸入のワインを約30種類程テイスティングを行いました。
すべての報告は困難なので、個人的に良い印象を受けたアイテムをご報告致します。
~試飲ワイン~
1.Ch Frachet2006(シャトー・フラシェット)
(ボルドー シューペリュール)
2.Ch Puy de Lignac2004(シャトー・ピュイ・ドゥ・ルニャック)
(プルミエ・コート・ド・ブライ)
3.Ch La Mouliere2006(シャトー・ラ・ムーリエ)
(ベルジュラック)
1のセパージュ比率は、メルロー72%、カベルネフラン20%、カベルネソーヴィニオン8%赤い果実の香りに、やさしいタンニン、とても綺麗な造りの印象を受けました。
2のセパージュ比率は、メルロー70%、カベルネソーヴィニオン30%
ブラックベリーなどの香りに、強いアタック、タンニンもしっかりしており、バランスの良い印象を受けました。
3のセパージュ比率は、メルロー70%、カベルネソーヴィニオン30%
熟した果実の香りとスパイシーな香り、余韻も長く続く印象を受けました。
AM1:00 シャトー・メールへ到着
10月14日(水)
AM9:00朝食
本日は、11日に会ったビスゲスション社代表「クロード」氏と共に、醸造家「エリック・ボワセノ」氏が携わるワインをテイスティングする為、共に同行をしました。
PM12:15 シャトー・モーカンへ到着
早速ボワセノ氏が醸造をするワインをテイスティング。
~試飲ワイン~
1.Ch Tour de Gilet2008(シャトー・トゥール・ドゥ・ジエ)
(ボルドー シューペリュール)
2.Ch Pontey2005(シャトー・ポンティ)
(メドック クリュ ブルジョア)
3.Ch Tour st Bonnet2007(シャトー・トゥール・サン・ボネ)
(メドック クリュ ブルジョア)
4.Ch Le Trate2006(シャトー・ラトレール)
(サンテステフ)
5.Ch Maurac2002(シャトー・モーラック)
(オーメドック)
6.Ch de Mouin Noir2004(シャトー・ムーラン・ノワール)
(サンテミリオン)
7.Ch Barreyre1995(シャトー・バレル)
(ボルドー シューペリュール)
全体的にすべて評価が良く、とりわけ高評価だったのは、1と3で1は生産量が非常に少なく年間生産量は900本、その内300本は自家で使用し、残りの600本のみ販売。毎年リリースと同時に完売してしまうそうです。熟成は100%新樽を使用しており、非常に高いポテンシャルを秘めている気がします。
3は今回同行をしました、焼酎オーソリティー様2名の評価も高く、パーカーポイントで有名なロバートパーカー氏も愛飲する程です。毎年シャトーに訪れ、試飲を行っているそうです。
PM1:30 ボルドー最大のワインショップ「WIERY」へ到着
このワインショップはレストランも併設をしており、クロード氏・ボワセノ氏と共に昼食。
エリック・ボワセノ氏は1991年、ワイン研究の最高峰、国立ボルドー大学醸造学部を卒業し、1993年には醸造学修士号を取得、ボルドー第2大学で医学、生物学、科学の博士号を取得しました。
彼は5大シャトーで有名な、シャトー・マルゴー、シャトー・ラトゥール、シャトー・ラフィット・ロートシルトなどをはじめ数多くのシャトーの醸造に携わり、シャトー・メールも彼が手掛けるワインの1つです。
彼が思うワイン造りに重要なこととは
1.テロワール 2.テロワールに合わせたブドウ造り 3.タイミングの3つです。
タイミングとは必要な時に何をすべきかを考え、実行することだそうです。
また、シャトー・メールについて伺うと、オーメドックのワインは全体的にタンニンが強く力強さが強調されるが、シャトー・メールは包み込む様な寛大なワインと表現をしていました。
10月15日(木)
AM9:00 朝食
AM10:00 本日はシャトー・メールにてお手伝い、今回は今年新たに購入をした新樽の洗浄にチャレンジしました。
まず、セラーに置かれている樽を高圧洗浄機にセットし、洗浄を行います。終了後、再度セラーに戻し、樽の穴を下にして水滴を流すように置きます。
樽を洗浄機にセットするのが意外と難しく、しっかりとセットしないと洗浄できません、また空樽も案外重たく、何十個とある樽を洗浄するのはかなりの重労働でした。
その後、2008年のシャトー・メールとランクロ・ガランのバレルテイスティングを行いました。
樽の香りが香ばしく強調され、どちらもまだタンニンが強く暴れている印象でしたが、日本では体験出来ない貴重なテイスティングでした。
また、ディディエ氏はランクロ・ガラン・ノンフィルターを現在試作しているとのこと。
PM2:30 ポイヤック シャトー・ラトゥールに到着
5大シャトーで有名なラトゥールのシャトーを見学しました。
ラトゥールの土壌は主に粘土質と砂利質で形成されており、非常に水捌けがよい。
78haの畑を所有し、カベルネソーヴィニオン80%、メルロー18%、プティ・ヴェルドとカベルネフラン2%で構成されています。
醗酵は66機あるステンレスタンクにて行われ、すべてフレンチオークで熟成を行います。
とにかく、規模の大きさに圧倒され驚きました。
~試飲ワイン~
1.Pauillac2008(ポイヤック)
2.Les Forts de Latour2008(レ・フォール・ドゥ・ラトゥール)
3.Ch Latour2008(シャトー・ラトゥール)
4.Les Forts de Latour2005(レ・フォール・ドゥ・ラトゥール)
5.Ch Latour2004(シャトー・ラトゥール)
1~3はまだ樽で熟成を行っている段階の状態でしたが、力強い香りと味わいは素晴らしく感じました。
4は、タンニンもまろやかで非常にエレガントな味わい。
5は、アタックはやわらかく感じるも、味わいには力強さが感じられ、バランスが素晴らしかったです。
10月16日(金)
AM8:20 シャトー・メールを出発
AM10:35 ボルドー空港を出発(シャルルドゴール空港へ)
PM1:30 パリ シャルルドゴール空港を出発し、成田空港へ
10月17日(土)
日本時間AM9:00成田空港へ到着、解散
(総括)
この度は、素晴らしい研修に参加させて頂き有難う御座いました。
私自身、フランスは初めての訪問で実際に土地や環境に触れることが出来まして貴重な体験でした。
シャトー・メールでは少しの時間でしたがワイン造りを体験し、生産者との触れ合いを通して今まで以上に愛着を持ち、それ以上に感じたのは彼らが懸命に造っている姿をまじかで感じ、より一層日本での販売に力を注いでいかなければと思いました。
この8日間で得たものを自分の財産として持っているのではなく東亜商事のお客様に伝え
東亜ファンを広めていけるように努力をしていきたく思います。